このページの更新は不定期にやっていますので、お気軽に読み流して下さい。

【第5話】

「2019年高校入試 倍率発表を見て」

 私立高校の合否が出てからしばらく、時間が空き、緊張感が薄れる頃、公立高校の一次倍率の発表が2月19日にあり、様々な声が聞こえてきます。

「え〜マジで!」「なんで、こんなに倍率高いん?」
「ラッキー、これなら全員合格じゃ!」

そんな声があちこちか聞こえてきます。たしかに偏っていますね、今回は定員が減らされた高校がいくつもあります。それは、生徒数自体が減少しているからなのですが、受験する生徒や親の側から見れば、難しくなったという感触でしょうか。
上の表を見ていただければ、いわゆる上位校に関しては概して、倍率は低いです。その反対に少し安全と思われる高校の倍率は軒並み上がっています。この傾向はこのところ続いています。

しかし、今回顕著なのは福山北部の学校群の受験者の出願先が、みごとにこの傾向を示していることです。府中高校の0.91倍、神辺旭の1.05倍というのに目が行ってしまいます。これはどう見ても、「敬遠」しているとしか見えません。
また、誠之館高校にしても、0.97倍。誠之館高校についてはこれまでは倍率は高かったのですが、今年はここも「敬遠」です。まるで野球の強打者みたいです。
たしかに、誠之館高校や府中高校は通常の公立入試以外に難問が別途あるというのは、ちょっと不安ではありますね、それなりの勉強をしておかなければ、難しいと思います。

それとは反対に、中堅高校の戸手高校の1.42倍、神辺高校の1.58倍というのは異常な高さに思えます。たとえば、戸手高校の倍率の高さから、神辺高校へ受験校を変更するには更に倍率が高いので、いったいどこへ変更すればいいのかと、相談されることもあります。ここで大切なのは倍率だけに、とらわれないことです。あくまでも倍率はその高校を受験する生徒のレベルでということなので、難易度が下がることはたしかです。それにしても、不安は消えませんね。

しかし、同時に倍率が1倍を切っているからといって、受験者全員が合格するかと言えば、答えは残念ながら「NO」です。はやり、入学してからの学習についていけないと判断したなら、やはり合格を出すことは、その子にとってもよくないですよね。高校は義務教育ではありません。したがって基本は単位制なので、単位がとれなければ留年ということもあり得ます。だから、一定の基準までは到達していないと、いくら倍率は0.何倍だとしても、合格できる保証はありません。受験とういのはほんとうに悩ましいですね。もちろん、「勝負をかけて、突進」という選択肢もあります。ただし、失敗してもあらかじめ合格できている私立高校へ進学するという条件付きです。

人生最初の大きな分岐点、子どもは不安でいっぱいです。家族でしっかりと話し合い、最終的には子どもの判断に任せるのが、一番いいと思います。あとで、「あのときお父さんが、○○高校を受験しろっていったから…」なんてことが、あとで子どもの不満につながることもあるからです。

学校の先生の指導は、もちろん大きな助けになりますが、一方的に決められるのは、私が親なら不本意で受け入れられません。その子の人生をその先生が決めてしまうというのはあまりにも横暴だと思っています。「責任とれませんよ」って言われたという生徒がよくいます。それは、厳しい結果が出てくるかもしれないということです。
逆に、「責任とれるんですか!」って聞きたいくらいです。その子の人生をある程度決める高校入試、それは本人、保護者、先生の三者がじっくりと話し合い、決めていくべきだと思うのです。もちろん、塾でも懇談などで学校の指導内容をお聞きし、家族の模擬テストなどのデータを元にアドバイスも差し上げています。


※バックナンバーを読むことができます